イエローナイフの山火事の影響について 2
イエローナイフの山火事の影響について 2
イエローナイフ近郊の山火事についての近況です。
(8月3日現在)
ツイッターなどでアップしましたが先週の水曜日午後、土砂降りの雨となりました。
明るい時間に360℃地平線の向こうまで真っ暗になるほどの雷雲で、街の人達は数か月ぶりの夜を体験したほど真っ暗になるというかなり大きな雨雲に覆われました。
イエローナイフに直接流れ込んでいる煙のもとは、街の左右30㎞の所で燃えている山火事二つ。この雨はどちらにも影響を与えたようです。
ただし残念ながら、鎮火には至りませんでした。
そして火勢を衰えさせたまでは良かったのですが、衰えさせたために煙の上昇力を削いでしまい、今までよりもたくさんの煙が街に流れ込むという結果になってしまいました。
現在SNSなどでしきりに街の様子が上がっていますが、上記の理由で煙が大量に流れ込んでいるためです。
ここ10年では一番煙い週末になってしまいました。
3日のイエローナイフ。
先日の土砂降り後、街に煙が流れ込む日は煙の量が増えました。今日は長時間外に出るにはマスクが欲しい感じ。ここ2週間に到着する方は、マスクも用意した方が良いかもしれません。 pic.twitter.com/YgUIyBYAxj
— Ricki Koichi Shimada (@Ricki_Shima) 2014, 8月 3
『オーロラ旅行で滞在するのですが、大丈夫でしょうか?』という質問をいくつかいただいています。
とても心配だとは思いますが、とりあえず9月に渡航する方は気にする必要はないと思います。
そしてこの先2週間に到着する方ですが、街での滞在とオーロラツアーの催行は今のところ問題なく催行されそうです。
心配な点は『火事の延焼』と『ツアーへの影響』ですが、分けて解説します。
まず『火事の延焼』ですが、今のところイエローナイフの街まで延焼する可能性はなさそうです。
直線距離で30kmという今までにない近さで燃えていますが、この周辺は多くが岩場と湖と湿地帯です。
イエローナイフはその中でも、比較的岩盤の多い地域に作られているだけで、ちょっと外に行くと水場ばっかりの地域です。
と言うことで、街に到達するにはかなりジグザグに水場を迂回しながら燃えてこないと到達できないです。
またハイウェイが閉鎖になっていますが、前回のご報告の時と違い、道路のすぐ横は既に燃えきっているそうです。現在閉鎖になる理由は「煙のため視界不良」と言うのが主な理由です。
それでも数日に一度は通行可能になっていますから、物資は今のところ滞らず調達できています。
また心配されていた送電線網への延焼ですが、こちらは消防隊が延焼防止措置をして防いでいるとのことでした。
次に『オーロラツアーへの影響』ですが、こちらは多少あります。
やはり、煙が濃いと見えにくくなるかもしれません。
しかし、『毎日ずっと煙の中』と言うものでもなく、風に影響されて煙さが変わります。
風向きが良ければそれほど煙くないですし、空も例年より晴れた日が多いです。
また、煙の厚さ(量)ですが、先日の雷雲の前よりは減っている感じです。火事現場から煙があまり上昇せずに街に流れ込むので煙いのですが、煙の量自体は少ないことが多いようです。先週までは街はそれほど煙くはなかったですが、高く上がった煙が上空で太陽を遮ることがかなりありました。
ここ数日は煙いですが、太陽(煙でオレンジ色になってます)の位置は分かることが多いですから、空を見るには状態は何とかなっていそうです。
と言うことで、『雲行き』次第で見られなくなってしまうオーロラツアー自体は、影響はあるものの極端に見えない状況にはなっていないです。
ただ、煙が多い日は長時間外にいるのがしんどいかもしれないので、ここ2週間に到着する方はマスクを持参したほうが良いと思います。
ここひと月の煙でかなり慣れているつもりでしたが、最近3日間の煙ではちょっとしんどかったです。
また、夏に人気の『バッファロー見学ドライブ』ですが、ドライブする先が現在燃えている場所の更に向こうで、その先の火災現場(道路沿いは既に燃えきったそうですが)のあたりまで行きますから、8月中旬までは催行が出来ない日が出るかもしれません。
とにかく、例年のオーロラ待ちと一緒で『風向きが良ければ晴れ空になる』状態です。
渡航される方は良い風向きになるように願っていてください。
しま