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吉窪昌美さんの本人確認が完了・捜査終了しました。

吉窪昌美さんの本人確認が完了・捜査終了しました。

2016年4月14日、カナダ連邦警察より発表がありました。
昨年9月に発見されたご遺体が吉窪さんのDNAと一致しました。これにより捜査終了となりました。

関連過去記事

発見記事原文

では最初に、CBC Northの吉窪さんの記事を原文で転載します。

DNA confirms remains found in 2015 belong to Atsumi Yoshikubo, missing Japanese tourist

DNA analysis has confirmed human remains found near Yellowknife last summer belonged to missing Japanese tourist Atsumi Yoshikubo, police announced Thursday in a news release.

Yoshikubo, 45, was visiting Yellowknife and was reported missing Oct. 27, 2014 after she failed to check out of her hotel. An intensive search and rescue operation by RCMP, Civil Air Search and Rescue, Ground Search and Rescue, and by members of the public failed to find her.

Atsumi Yoshikubo, missing woman in Yellowknife, presumed dead

Items found with remains belonged to missing Japanese tourist
RCMP ended its search a week later, on Nov. 4, saying Yoshikubo was presumed dead and that she had "arrived in Yellowknife with a plan to go into the wilderness alone and become a missing person."

In August 2015, hikers near Yellowknife found bone fragments along with personal items belonging to Yoshikubo. Police have still not disclosed the location of the discovery.

The release says RCMP conducted a search of the area and found "sparse fragments of human bone." Police say the state of the "scant" remains made conducting an autopsy impossible and forensic testing was required to confirm the identity of the remains.

Yellowknife RCMP say they are now closing their investigation.
Apr 14, 2016
元記事へ

とのことで、捜査も終了となりました。

記事の補足(現地事情を踏まえた上での解説です)

発表ではDNA鑑定についてしか触れられていませんが、検証期間がかなり長かったので、発見当時に予定していた通り念入りに検視もしたようです。その結果、事故の形跡や他傷の可能性があるものが遺留品を含めて一切出てこなかったため、上記のような文面での発表になっているようです。

失踪が発覚して捜査が始まった当初、もともと捜査は自死よりも事故や事件の可能性が高いと考えられる捜査を行っていました。数日ごとに捜査範囲を拡大していき翌週末にはボランティアも大量に募っての原野の大規模捜索も敢行。しかし手掛かりが掴めず。
そして、吉窪さんが旅行出発直前に友人に送った手紙が発覚(原文は友人の意向により非公開)、解釈によっては失踪を考えていたと思われる内容で、この発見により捜査方針が急展開。既に生存可能時期を過ぎていることから捜査打ち切りとなりました。
この時点では事件が解決した訳ではないのであまり詳しくは発表されなかったですが、「吉窪さんには元から潜在的に失踪願望があり、イエローナイフ滞在中に突発的に失踪を実行してしまったのではないか」という解釈をしたようです。

もしこの手紙の発見がもう少し遅ければ、連邦警察はさらに範囲を拡大する予定でした。おそらく関連地域の捜索だけでなく、沿道の家々に対してローラー作戦を行う予定だったと思われます。
(通常この地域では、失踪しても比較的近い場所で期間もそれほどかからずに発見されるので、『なんで見つからないんだろ?』と街の人は思っていました。という事で上記の大規模捜索後は『やっぱり拉致監禁?』『でもだとすると燃料消費量が増えるから割り出せるんじゃ?』『沿道の家には地下室はないから隣家が気が付くかも?』などという疑問が出始めていたタイミングでした)

翌年の春、雪解けに先立ち連邦警察は『遺留品ひとつ、骨ひとつでも見つけたい』と情報収集を開始。
結局、春先には見つけられませんでしたが夏の終わりになって発見されました。

日本とカナダでは警察の捜査方法も違いますし、思考も違いますからいまいち納得できない方もおられるかもしれません。
ただ発見後の調査も終わったいま、個人的にはやはり警察の見解は合っていたのだろうと思います。

現地の状況と事情とにいては、「吉窪さん発見について」の解説も参照ください。

しまが見かけた吉窪さん

記事にはしていませんでしたが、私も吉窪さんを見かけていました。
時期は最終目撃情報のある前日、時間はお昼頃。場所はダウンタウン。
警察からも失踪が発覚した翌日には連絡があり事情徴収。その時の様子や目撃時間も特定できる根拠があったのでそれらを全て伝えました。またこの時のやり取りでコンタクトをとっているかもしれないツアー会社なども伝えました。

ちなみに私が見かけたときの吉窪さん、見た感じは普通の観光客で、何も気になる点はありませんでした。

だた・・・
ガイドの経験を通して考えますと、そういう状況から何かが起きてしまうという事はそこそこあります。「旅行」という非日常的な状況に置かれていると、緊張感からか解放感からかはわかりませんが、何かかがきっかけでそのひと本人でも意識しない発言や予測できない行動が出てしまうということがあるようです。ということで、現地ガイドがその対処にあたることはぽつぽつあります。

例としては、普段おとなしい人がちょっとしたトラブルが起きた時に担当者に怒鳴り散らしてしまったり(後でシュンとしてしまう人も多い)、普段慎重な人がものすごく注意散漫(もしくは好奇心?)になってやたらと危険な場所に行こうとしたり、あとは視野が極端に狭くなっていて標識や看板などが全然目に入らなくなってて迷ったり・・・などです。
おそらく経験のある方もおられると思います。

またオーロラツアーでは『時間厳守の集合時間に戻ってこず、捜索隊を出すまでになった・実際に出したものの本人がひょっこり帰ってきた(しかも迷ってたのではなく「ちょっと遅くなっちゃったかも」ぐらいの感覚なので遭難の心配をしていた関係者は全員脱力)』などという例が何度もありました。

そして私が直接経験した例ではありませんが、旅行者が観光地や大都市にて見たい風景を見たり、行ってみたかった場所に行った、または万人受けする場所じゃないけど思い入れの強い場所に行くことができた翌日などに息を引き取ってしまったという例もあります。
(映画『タイタニック』の最後のシーンを思い出していただけるとイメージは湧くと思います)
この失踪事件の際にも日本のメディアでは記事になっていましたが、同じようにして失踪してしまう例、実はたまにありあります。未遂で済んだ例でしたら年間何例もあるでしょう。

今回の例は旅行先としてはマイナーな場所で起こったこと、一人旅だった為に滞在中の行動が全く把握できていない(=謎が多い)こと、そして(日本のメディア的)に大きな事件が無いタイミングだったためか、現地の人が驚くほどの大々的な放送体制が取られてしまいました。
イエローナイフ地域への日本のTVの取材は毎年数件あるので取材は珍しくはないのですが、今回は日本から、もしくは北米の支局から3社も4社も報道クルーが続々と到着したため、現地のメディアから逆取材を受ける程でした。

しかし、考えられる中で一番大きな可能性は連邦警察が捜査終了時に発表した「自分で原野に入って行った」。
半年に及ぶ検視でもそれ以外の可能性を見出すことが出来なかったので、おそらくこの推測が当たっているだと思います。

失踪に関してはどのような背景や過程があったのかは結局全く分からないままの捜査終了となりましたが、故人のご冥福をお祈りいたします。

しま

追記:失踪発覚当時、「吉窪さんは往復航空券で旅行している。だから帰国するつもりだったんだからこれは事件のはずだ」という意見が何件も出ていましたが、これは間違いです。
ほかの国でも当てはまるところは多いですが、日本人がカナダに数週間程度の観光で入国する場合、事前に観光ビザを取得するか(それでも入国時に面接になるし、入国拒否もありうる)、カナダ国外に出国する航空券(通常は日本に戻る往復航空券)を持っている(いわゆる「ビザなし渡航」かのどちらかになります。
という事で仮に失踪目的でやってくる人がいたとしても、やはり帰国用の航空券は持っていることになります。
捜査の際に状況証拠として帰国用の航空券が一切考慮されていなかったのはこの為でした。

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