YKへの道のり
イエローナイフへの道のり the road to the Yellowknife
イエローナイフに到着するための方法と、利点・不利点をまとめました。
- ページを見やすくするため、以下の略語を使用しています。
AB:アルバータ州(Alberta)
NWT:ノースウェスト準州(Northwest Territories)
BC:ブリティッシュ・コロンビア州:(British Colombia)
空路 by Air
現在の主要な渡航方法で、バンクーバー、カルガリー、エドモントン空港からは2時間前後でイエローナイフに到着します。
もともと、カナディアンノースとファーストエアーの寡占市場だったものが、参入規制撤廃のために現在は4社体制に。旅行者の利便性はかなり上がりました。
利便性の第一は料金設定で、2005年までエドモントン-イエローナイフ間の運賃は往復$1000(約8万円)。現在は往復$500(約4万円)を切ることが多くなりました。
現在も各社が壮絶なシェア争いをしているので、ときどき、驚きの運賃が出ます。
エアカナダ Air Canada
カナダのフラッグキャリア。
日本からイエローナイフに到着するのには一番ポピュラーで、予約の簡単な方法。
- 日本からなら通し料金が出るので料金メリット大
- 通しチケットなので、チェックインも楽
- イエローナイフ発着の便は、-40℃で運休の可能性が(機体・CRJの性能限界)
- 運休後の振替え便予約がわりと雑
ウエストジェット West Jet
LCCとして急成長した航空会社で、規模はエアカナダについでカナダ2位。
北米全土からの利用だと路線網が充実していて、エアカナダの強力なライバル。他都市に滞在をするなら、日本よりJAL利用後にウエストジェットを利用してイエローナイフに到達することも可能。イエローナイフへは1日1往復。
- カナダ国内からだと、かなり遠くからでも料金が安い
- B737が運用主体なので、イエローナイフ便も運休がほとんど無い
- 搭乗率によって、計画運休→搭乗便振り替えがある(イエローナイフ便には無い)
- 遅延・運休保障などがエアカナダに比べるとちょっとケチ(金券ではなく社内クレジットになることが多い)
カナディアン・ノース Canadian North
旧カナディアン・エアラインズの地域子会社。
イエローナイフ―エドモントン間では最多便数を運行。
カルガリー、エドモントン路線を所有(2010年春にカルガリー線は撤退。残念)
2010年9月現在、エアカナダ以外に南行き早朝便を持つ唯一の会社(=同日に日本への経由便に乗れる。月曜日のみ)。
- 州内地域(ナハニなど)に行くなら系列会社があり、乗り継ぎ可能
- 機内食がおいしい
それだけでなく、ナイフ・フォークは金属製。ワインは無料(ビールは有料) - 冬季は、機内で日本語アナウンスがある可能性が大
- アルバータ州からの利用なら、一番のお薦め
- エアカナダ・アエロプラン提携航空会社なので、マイルが貯まる
- オタワ在住なら北極圏航路もあり
- エアカナダ経由便に、搭乗券が一度に発券されるとは限らない(他空港の搭乗口で、再発券手続きが必要な場合がある)
ファースト・エアー First Air
統合前のエアカナダの地域子会社。旧名はNWT Air。
エドモントン・ホワイトホースからの路線(ホワイトホース線は2009年冬に撤退。残念)
- 比較的、航空券が取りやすい
- 機内食がおいしい
- オタワ在住なら北極圏航路あり
ノースウエスタン・エア Northwestern Air
フォートスミスに拠点のある、南行き路線を持つ第五の航空会社。
エドモントン市営空港-フォートスミス-イエローナイフの路線を持つ。
http://www.nwal.ca/
- カナダの本当の僻地(フォートスミス&航空機)を知るには良いルート
- ウッドバッファロー国立公園へ行きたい人には最適のルート
- 全五社の中で一番ローカル線気分を味わえる路線
- 実は、VIA Railとの乗継が一番良い(VIAのエドモントン駅は、市営空港の隣←残念ながら、最近はエドモントン国際空港発着の便が多いです)
- オカナガン地方から極北への最短ルート(不定期にケロウナ便が存在する)
- 時間はかかる(プロペラ機なので)
陸路 by Overland route
低料金が魅力でかつては利便性があったものの、航空運賃競争が始まった2007年からはマイナーな到達手段になりました。
長距離バスを駆使する方法と、レンタカー、自家用車でのイエローナイフ到達が可能です。
バスの運賃は飛行機に比べて安価だったので、かつては時間さえあればバスは強力な対抗移動でしたが、航空会社の価格競争により相対的にロスの多い移動手段になりました。
そのバス路線は、輸送人員減少により、グレイハウンド社はピースリバー(AB)-ヘイリバー(NWT)間の旅客路線廃止を現在検討中。
以上の理由により、バックパッカーには一定の人気があったヘイリバーでのオーロラ鑑賞は、メリットが無くなってきました。
バンクーバーからイエローナイフへの主要到達ルートは、
- BCの37号線-ナハニ経由
- プリンスジョージ-ナハニ-経由
- ABの2号線-43号線-35号線
の合計3本。
バス Long-distance Bus
※(お知らせ)
過去20年にわたって、このバス路線はオーロラ旅行に(時間はかかっても)安く行ける方法でしたが、2011年10月25日をもって路線廃止となりました。
詳細はコラムの「イエローナイフ行き長距離バス路線廃止」を参照してください。
グレイハウンド+フロンティア・コーチライン
カナダ各都市→エドモントン(AB)又はピースリバー(AB)乗り換え→エンタープライズ(NWT)で乗り換え→イエローナイフ
ヘイリバー行きグレイハウンドバスに乗り、エンタープライズで途中下車(朝)。(1時間後)ヘイリバーよりやってくるフロンティア・コーチラインに乗り換えて、イエローナイフへ。
- 利点:
- 移動運賃が航空券より安い。
カナダの大きさを実感できる(エドモントン-イエローナイフ間の陸路は1500km)。 - 途中で北緯60度線大看板を越えられる(往路は早朝に通過するので、写真を撮りたいなら復路に。頼めば止まってくれる運転手もいる。お礼とチップは忘れずに)。
- 移動運賃が航空券より安い。
- 不利点:
- とにかく時間がかかりすぎ
所要時間(バンクーバーから3日)を考えると、空路(冬季は2時間半)に比べて本当にメリットがあるのか・・・
- とにかく時間がかかりすぎ
レンタカー Automobile (Rent a Car)
多人数で敢行するなら最安値の手段で、「大陸」を体感する手段としては最高です。
ただし不利点も大きく、最悪の場合は「遭難」します。下記の注意点はしっかり考慮してください。
また、詳しいレンタル方法は、「レンタカーする」を参考に。
- 利点:
- 4人以上なら最安値の移動手段
- 途中観光も可能。バスと違い、北緯60度線大看板とNWT準州観光案内所(夏のみ)、アレキサンドラ滝などに確実に寄れる。ナハニ国立公園(夏のみ)に寄ることも可能
- 停留所ロスタイムが無いので、バスより所要時間が短い+観光もできる
- バンクーバーからHYW37経由するなら絵の中にいるような美しさ。ロッキーの国立公園群にも引けをとらない(ただし夏のみ。冬に走破を試みると遭難の可能性あり)
- 不利点:
- ちゃんとした事前調査。ガソリンスタンド場所や宿泊施設など、他の到達方法よりもそれなりの事前調査が必要(休祭日お休みの場合がある)
- 所要時間。ドライバーを交代しつつ、不眠(ほぼ不休)で移動してもエドモントン(AB)-イエローナイフ間は15時間掛かる
- 路上でパンクしただけで、一種のサバイバル状態に。エンコすると遭難の可能性
- 故障リスク。大きな故障があると、修理に数日要することも
- 走行距離はとんでもないことに。3500~5000km越えを覚悟すること
自家用車 Private Vehicle
もちろん自家用車での到達も可能です。
利点・不利点もレンタカーと同じですが、レンタカー以上に「整備された車を使うこと」が条件です。
極北地域で整備不良車を使うことは、そのまま「遭難」に繋がります。
少なくとも、下記の注意点は守ってください。
北極圏に車移動する際の注意点
極北では、小さなものでも移動途中の故障は大きなブレーキです。
特に週末に故障することは致命的です(土日はどこも休み)。
以下のポイントを参考に、事前整備を済ませて、上がってきてください。
イエローナイフに車で移動する場合の必要条件
- 他州でもカバーされる保険に入っていること(レッカー特約が付いていると更に良い)
- 5年目までの車であること
- 6年目以降は、全体整備&修理の済んでいること
- ブロックヒーターを装備していること
- オイル交換が済んでいること(冬季なら北極圏対応オイルに交換する)
- 厳冬用ウィンドウウォッシャー液(-25℃以下)を積んでいること
- 冬用タイヤを装備していること
- 多人数であること(ドライバー確保のため)
- 予備日のある日程を組んであること
- ガソリンはこまめに入れてくること
参考資料
準州高速道路 運行状況
http://www.dot.gov.nt.ca/_live/pages/wpPages/roadConditions.aspx
イエローナイフまでの距離(片道)
- エドモントンから:1511キロ
- カルガリーから:1811キロ
- バンクーバーから:2411キロ
- トロントから:4966キロ