YK-ConfCity
イエローナイフのホテル事情
昨日(8月26日)からイベントがあるため、ここ二日間のイエローナイフでは、全ホテルが満室となりました。
ダウンタウンだけでなく、新市街区のホテルも全てです。
日本の方には「オーロラの街」というイメージが強いため、
「イエローナイフ=辺境の田舎町」
と考える方が多いです。
しかし、実際のイエローナイフは「行政中心地」「産業・物流の拠点」「北方防衛の拠点」と、実は他の産業の割合がかなり多い街なんです。
そのためこれらの産業関連の出張も多く、イエローナイフにあるホテルは、実はこうしたビジネス需要に対応して建てられました。
そして、もともとオーロラ旅行というのはどの国でも事情は一緒で、そうした閑散期の設備を利用してスタートしたもので、この街にとっては現在でも、いわゆる「ニッチ産業」扱いになります。
旅行者が増えた現在もこの傾向には揺るぎがなく、また以前よりもホテルが増えたので多人数収容が容易になり、近年はコンベンションが開催される回数が増えてきました。
以上の事とまだ街がそれほど大きくないことから、オーロラ旅行者が比較的多い時期にコンベンションが入ると、街のホテルはすぐにパンクします。
そして困ったことに、『旅行者が多い時期に当たるから、コンベンション開催をちょっとずらそうかな?』などという事は誰も考えてくれません。
オーロラ旅行者だけで毎年1万人ぐらいやってくるようになったイエローナイフですが、現在でもこの街と準州は「地下資源とその運営のための物流拠点」としての産業規模が圧倒的です。
かつては金、現在はダイヤモンドとレアメタル。近未来では天然ガス、石油、メタンハイドレートが産業の主力になると言われていて、この傾向はたとえ2万人のオーロラ旅行者が来るようになっても変わらないでしょう。
そしてこれは本当に偶然なのですが、そのコンベンションが
『旅行者のピーク時期に開催される』
というのが何度も起きてます。
去年(2012年)は、なんと8月のお盆の週でした。
出席者数は600人(+その家族)と、大都市から見れば全く大したことのない規模ですが、人口2万人、ホテルが8個しかないイエローナイフでは、これでどどっと混みます。
そして、今年(2013年)は9月中旬に。
夏秋オーロラで最も忙しい時期と、今回も見事に重なってしまいました。
今年(2012年)の夏秋シーズンに個人予約で旅行をした方は、ホテルの確保に苦労された方も多いと思います。
例年よりもオーロラ旅行者が多い為でもありますが、最大の理由はこのコンベンションが入ったことでした。
特に去年と今年のケースでは、『飛行機(カナダ国内線)が取れるのに、イエローナイフの宿が取れない』というケースが続発しました。
これはオーロラ旅行者に限らず、コンベンション関係者も同様です。
あるベッド&ブレックファーストのオーナーは、
『「○月●日に泊まりたい」という同じ日付での宿泊問い合わせが電話が20本以上来た。もう少し分散してくれれば本当にありがたいのに』
と、こぼしていました。
つまり、コンベンションの参加者もなかなか宿が取れず、のんびりしていた人は数週間ぐらい前から焦って電話を掛けまくって押さえています。
ちなみにそれでも取れなかったらこの人たちはどうするか?夏だとこちらの人には『テント持参でキャンプ場に泊まる』という最終手段を使っています(テントのみなら当日でも取れることが多い)。
それからこのコンベンション、厳冬期にもあります。
会場になるホテルが混むのは当たり前ですが、周辺のホテルもある時期を超えると一気に部屋が無くなります。
という事で、予定した予算や設備の宿泊施設に泊まりたい方は、早めの計画と滞在先確保をお勧めします。
くれぐれも、
『イエローナイフ=辺境の片田舎』という先入観は捨てて
くださいね。
(2012年8月)