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イエローナイフの治安について(2014-15年版)

ご注意: このコラムは3項で構成されています。途中で読むのをやめると大きな誤解をする可能性があるので、読み始めたら最後(その3)まで必ずお読みください。
2013年版をお読みになりたい方は、こちらになります。

イエローナイフの街は本当に安全か?

2014年10月終盤、イエローナイフにて日本人女性行方不明事件が起こりました。

『イエローナイフで旅行者が消える』のは初めてのケースで、カナダでも日本でも大きく取り上げられました。現地の基準では異例ともいえる捜査体制が敷かれ、警察官の少ない人口二万人の街としては大捜索が行われましたが、最終的には『自ら行方不明になった』という捜査結論が出て捜索終了となりました(不明者本人が日本出国前に友人に送った手紙に、失踪をほのめかす内容が書かれていたと、その後のニュースで報道されました)。
(※2015年8月に、不明者と思われる遺体が街の外で発見されました。詳細はこちらを参照ください吉窪さん発見について(イエローナイフ邦人女性行方不明事件))

ガイドブックでも外務省の渡航情報でも、旅行会社の旅行先案内でも、『治安は極めて安全です』と紹介されてきたイエローナイフ。
上記の事件も治安問題ではなさそうでしたが、実際に安全なのか?

この項では全3回のページにて現地から見たイエローナイフの街の状況をご紹介します。
※(このページは注意喚起の章で、記事の本質は2ページ目以降に書かれています。ここだけ読むと間違った認識をしてしまうことになりますので、最後まで必ずお読みください)

ちなみに情報局では、「安全ですが注意は必要」との立場を取っています
他のページでも書いていますが、イエローナイフは観光地ではないですし、オーロラ旅行自体がかなりスケジュールなため、通常の旅行先とは治安対策も旅行の上でも勝手が違うことがいろいろあります。旅行者がなるべく楽しく安全に旅行が出来るように、この項目は纏められています。
街の概要を知るために、イエローナイフってどんなところ?(街の概要が分かります)も参照ください。

オーロラ情報局としては、旅行者にとっても現在のイエローナイフの治安は『安全だけど、通常の注意は必要』という状態であると考えています。

イエローナイフならではの問題点

今までずっと、「イエローナイフの治安は安全」と考えられてきましたし、これからもそう案内されると思います。
では、私がこの質問を受けた場合はどうするか? 私は3種類の答えを用意しています。

  • 海外旅行初心者→「基本的に安全です」
  • 旅行慣れてしている方、いろんな事に興味を持つ方
      →「トラブルに巻き込まれそうな事をしなければ安全です」
  • 途上国のバックパッカー経験者→「途上国よりはずっと安全です」

イエローナイフは「オーロラツアー」という、旅行者が「通常の観光地」とは違ったスケジュールで行動する場所のため、こう案内することにしています。

海外旅行の初心者はパックツアーなどでスケジュールもある程度決まっていますし、ガイドの案内を受けつつ行動します。したがって安全な場所で安全な行動しか取りませんから、イエローナイフで滞在しても特に治安は気にする必要はないと思います。小ぢんまりした街で安全な滞在になることでしょう。
また、途上国を渡り歩いてきた方も治安の察知には敏感ですから、油断をしなければやはり安全と言えます。

しかし、旅行慣れしている方やいろんなことに興味を持つ方には少し違います。
「陸の孤島型鑑賞施設」を除く、北米のオーロラ鑑賞地域ではどこでも起こりうることですが、旅行慣れしている人が街を歩くには、イエローナイフは自由度が高すぎるのです。
その為、気を抜いて歩いてしまうと大きなトラブルに巻き込まれる可能性が出てきます。

一般的にイエローナイフの治安については従来、ガイドブックでも渡航情報でも「治安は良い」「安全」などと言われてきました。もともと米国とカナダでは治安レベルがまるっきり違うため、確かに北米の都市の中ではかなり安全と言えます。

しかし、オーロラ旅行は通常の観光旅行とは行動パターンがまるで違います
このため自由旅行者が「オーロラ鑑賞の為にする行動」が「犯罪を引き寄せてしまう」という場合もあるんです。

住民にとってイエローナイフの治安は?

では住んでいる街の人たちはどう考えているか。
古くから住む人ほどこの傾向が強いですが、街の人達も現在、
『イエローナイフはもう、昔の町のように安全ではない』
という認識になってきています。

実際に、車上荒らしや空巣は増えています。ドラッグの流通量も増えてきていて(もともとあまり流通していない安全な地域だったので防犯対策がされておらず、かえって流入スピードが速くなってしまいました)、たまにその拠点が警察の特殊部隊に急襲されたりしています。
ただ、それでもカナダの大都市に比べれば犯罪の規模は小さく、アメリカの大都市から見れば「そんな程度のことでビビるなよ」と失笑されるぐらいのものであるといえます。

もともと僻地の田舎町ですから、一般的な都市の犯罪はとても少ない街の一つでした。つい最近までお酒がらみの刃傷沙汰や家庭内暴力が一番の犯罪と言えるほどのところだったので、近年の事件の増加は街の人にはとても残念なこととされていますし、心配材料になってきました。
現在でも警察出動の多くは酔っ払い保護や喧嘩、それに伴くDVなどがとても多く、”発生指数”的にはこれらの事が数値を押し上げている状態です。

旅行者は巻き込まれてしまうのか?

では、その近年の状況の変化が旅行者にはすぐに影響が出そうでしょうか?
現状に比例して旅行者にも被害が及ぶ可能性は大きいのか?
これに関してははっきりと「NO」と言えます
イエローナイフ特有の事情によります。

一言で言うと、『イエローナイフは鉱山街だから』です。

通常、旅行者が訪れる街は大都市か観光地です。
人の集まるところはそれを標的にした泥棒や窃盗団も多くなります。世界的にトップクラスに安全なカナダでも、『旅行者を標的にした窃盗団の被害が出ています』という話は数年おきに出ています。

しかし、世界中から移住者がいるイエローナイフでは同じ様にはなりにくいです。
理由は『鉱山の街だから』です。

『鉱山街』という特殊空間

多くの人は『鉱山』と聞くと、「身なりの良くない人たちがたくさん集まって、ツルハシで岩を砕く肉体労働」をイメージすると思います。確かに“以前は”間違いではないですが、現代の鉱山は特殊機械が整然と動くかなり機械化された技術者たちの職場です。
そして誤解している方が多いですが、鉱山というのは昔も今も『かなり給料の良い職場』です。これは2015年に『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(=軍艦島などの建物群)』が世界文化遺産に登録されたので、関連記事で読まれた方も多いと思います。
上記は長くなるので詳しくは別項にまとめますが、とにかくイエローナイフは鉱山街なので所得の高い世帯が多く、華やかな割に住民は質素だったりする多くの観光地とは全く別の環境になります。

旅行者は標的にならない!?

ということで仮に物取り犯行が増えたとしても、現在のイエローナイフでは旅行者がその対象になる優先順位は低いです。
簡単に言うと街の泥棒さんにとっては、旅行者はお金持ち『ではない』からです。
仮に旅行者の中にお金持ちがいたとしても、持ってこられる荷物はとても限られています。
それよりも街の一般家庭を狙った方が、いわゆる金目の物が多いので、旅行者からのひったくりなどをするより、空き巣を狙った方が泥棒にとっては効率が良いということになります。

結局、イエローナイフは『安全な街』なのか?

通常の旅行者にとっては安全だと思います。
ただし一部のオーロラ旅行者にとってはそうは言えない場合もあります。
ということでオーロラ情報局では『条件付きで安全』との立場を取り、安全対策についてアドバイスしてきました。
次ページでは具体的な危険性と対応策などを解説していきます。

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